木下製粉株式会社 さぬきより「挽きたての粉」をお届けします!

#477 ロール製粉機(roller mills)の発明②

f477しかし1864年、ネフ(F. Naeff)がアドリア海に面する都市フィウーメ(Fiume)近くの製粉所に、ザルツバーガーロール機の改良版を導入すると状況は一変します。彼は駆動方法を簡略化し、ロール長を9インチに伸ばし、更に回転速度をかなり遅くするといった工夫を施しました。そしてロール機を使用したハンガリーの段階式製粉方法は、ここから始まります。ただネフの改良による効果も限定的で、その後も様々なロール機が開発されてはきましたが、どれも本命にはなりませんでした。そうこうするうちにピュリファイアーの方は急速に改良されて、製粉工程においては挽砕方法がボトルネックになってきました。

つまり、挽砕方法さえ改善されれば、製粉産業には新しい時代が到来するのは間違いないところまできました。そして転機は1873年にやってきます。この年、ナポリの製粉技術者フリードリヒ・ヴェーグマン(Friedrich Wegmann)が新たなロール製粉機を開発します。この製粉機の画期的な点は、従来のロール懸案であったロール間隙に関する問題点を解決したことです。

つまりロールの下にぶら下がっている分銅がポイントで、もしロールに金属とか石ころなどの異物が入り圧力が大きくなった場合には、外側のロールが持ち上がり、ロール間隙が広くなるように工夫しているのです。当初、小麦の破砕には不適でしたが、ピュリファイアーを通過したミドリングスを小麦粉に粉砕するには全く問題なかったので、初めて石臼の代替として使用されるようになります。この成功によって、ヴェーグマンのロール機はあっという間にヨーロッパ市場を席捲します。1874年からの12年間で13000台、更にその次の12年間は10000台を出荷します。

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当初ロール製粉機の魅力はその経済性にありました。当時、石臼の問題点のひとつとして目立てが高価で時間がかかっていたことにあります。そしてロール製粉機の性能が向上した結果、相対的にロール製粉機の方がコストパフォーマンスにおいて優れるようになったのです。その後もロール製粉機は改良され続け、そのうち経済性だけではなく、その品質においても優れるようになります。小麦粉の総歩留りは同じでも、上級粉の歩留りにおいてはロール製粉機の方が格段に優れていたので、圧倒的な支持を得るようになります。そして鋳造鉄製の波型ロールは、小麦からミドリングスを取るのに理想的である一方、スムースロールはミドリングスを小麦粉にするためのすばらしい方法であることがわかりました。

このように製粉史上最大の発明であるロール製粉機はラメッリの発明から300年余りを経てようやく実用化されました。さてここで気になるのはではロール製粉機の最大の貢献者、つまり真の意味での発明者は誰かという疑問です。候補者としては、最初にロール式のアイデアを考えついたラメッリ、最初に実用化に成功したザルツバーガー、そして最終的に完成させて普及に貢献したヴェーグマンがいます。そしてストーク先生は、誰が最初に考え付いたかではなく、実質上完成させ、誰もが使えるようなものにすることの方がより重要であると述べています。この点でいうと、真の意味での発明者はヴェーグマンということになります。

真のロール製粉機が実用化されることで、製粉産業は新しい時代に入りました。人類が道具を使い始めたのが1万年以上も前の大昔です。そして永い間かかり、技術的にもまた発想においても大きなブレークスルーが必要であった回転式石臼が発明されたのが約2500年前。そしてそれから更に2500年近くを要してロール製粉機が最終的に実用化されたのです。ロール製粉機が実用化されたことで、近代製粉は完成することになります。つまり①ロール製粉機のみの使用②完全自動化③段階式製粉方法の実践の3条件を満たした製粉工場の登場です。

木下製粉株式会社 2015年6月7日


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