#396 うどんテイスティング・・・うどんつゆ(トマト味)

トマト味現在、弊社ではOEMでうどん用つゆを4種類、お願いしています。ひとつは香川では知らない人はいないと言われるK醤油のだし醤油ですが、これを250mlのパックに充填してもらっています。だし醤油なので、そのままお醤油の代わりにもなるし、またお湯でのばせば、うどんつゆにもなる優れもので、スピード感や簡便性が求められる現在においてはぴったりの製品です。K醤油が全国的に名を馳せるようになったのも頷けます。製粉同様お醤油業界も寡占化が進んでいますが、やり方によってはまだまだ発展できる余地が残されていることを実証されたということは、素晴らしいことだと思います。

話は戻り、残りの3種は、いずれも個包装で、一般的な①うどんつゆ、②カレーうどんスープ、そして③肉うどんスープです。①は標準的なうどんつゆ。②は少し辛めの、とろみを抑えたカレースープです。個人的にはこの位の辛さが好きですが(だから商品化されたわけですが・・・)、中には「ちょっと辛いじゃないか!」と感じる方もいて、それで表に「中辛」と表示するようにしましたが、すると今度は、「激辛」や「ちょい辛」もあるのかと誤解され、表示の方法は、つくづく難しいと痛感しました。

f396_2その次に作ってもらったのが③肉うどんスープですが、これはさぬきの肉うどんをイメージした少し甘目の肉うどんつゆです。ただ肉の風味付けには、ラードを使用したので肉は一切入っていません。すると「肉うどんスープと言いながら、肉が一切れも入っていないのは、いかにもマズイではないか」という意見があり、苦肉の策として、「肉うどんスープ」ではなくて「肉風味うどんスープ」と「風味」の2文字を付加して呼ぶことにしました。

f396_3さて本題になりますが、「そろそろ違ううどんつゆがあってもいいんじゃないですか?」という声もあり、何か気の利いたものはと考えていると、「最近はパスタも定着したので、トマト味もいいかも」ということで試作をお願いすることになりました。醤油メーカーの担当者曰く、「コンソメスープにトマト味をつけてみましょう」ということで、試作第1号ができましたが、もう少しコクがあった方が良いと感じたので、この度試作第2号ができてきました。開発コードKS2の「2」は第2作目という意味です。

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試食においては、「さぬきの夢」の乾麺を釜ぬきで、どんぶりにとり、そこへお湯でのばしたトマト味スープをかけました(画像参照)。確かにトマトケチャップ味がして、だしもそこそこ効いていて、そつなく仕上がっているなとは感じます。ただ惜しいことに、そのインパクトが持続しないというか、最後の方になってくると味がやや単調になってきた感があります。「トマト味と和風だしがうまく馴染んでないのかしら」とは、家人の感想です。ということで、偶にであれば良いけど、定番となるとまだ解決すべき課題が残っているので、更に検討を重ねようということになりました。

そういえば以前、「みそ味」の試作もお願いしたことがありました。このときも「味噌風味でいい感じには仕上がってはいるけれど、何かが足りない」ということで幻の企画に終わりました。専門店のように専門の職人さんが毎日仕込むのであれば、どんな風味のうどん出汁も第一級のものが提供できますが、うどんの付属するつゆは、予算の制限などもあってなかなか思うようにはなりません。そういえば、以前醤油メーカーのある担当者が、「セルフのうどん屋では、つゆ一人前の原価が大体10円なんですわ。そやけどね、それではなかなか美味しい出汁は作れんのですわ。ほんまは30円位だせばおいしい出汁ができるんですけどね」っと言ったのを思い出しました。