#351 最近のうどんテイスティング4種

うどんテイスティングは、時々思い出したようにやってはいますが、なかなかアップできていません。

 

今回は、備忘録を兼ねて、最近おこなったテイスティングのいくつかを簡単に紹介いたします。 尚、画像はどれもこれも大したことはありませんが、ただ「うどんテイスティングをやった」証ということで、ご容赦願います。

 

①超熟成乾麺vs.通常乾麺(2012.09.12)
現在の乾麺の製造は、連続的なラインの中で行われます。そのため生地の熟成は、麺帯の状態で行われ、具体的には熟成コンベアを通過することによって行われます(#337)。この熟成コンベアは、生地が乾燥しないよう回りを囲ってはいますが、何もしないただの時間稼ぎで、麺帯はここをただ何もせずに通過するだけです。つまりここを通過する時間だけ、生地の熟成は促進されることになり、一般の乾麺製麺ラインでは30分~1時間程度かけることが多いようです。

今回のポイントは「熟成時間をずっと長くすれば、味に違いがでるかどうか?」で、一部の麺帯を切り取り6時間程熟成させ、乾麺を製造してみました。そこで、この超熟成乾麺と通常の乾麺とをテイスティングしてみました。結果は、前者の方が、喉越しがやや滑らかなような気もしましたが、全体としては決定的な差異は認められず、結論としては「有意差は認められない」ということになりました。

 

②「さぬきの夢2009」乾麺vs.「さぬきの夢2000」乾麺(2012.10.04)
何度もご紹介したように、現在さぬきの小麦品種は、「さぬきの夢2000」から「さぬきの夢2009」へ移行中で、今冬播種される小麦からは全て「さぬきの夢2009」となります。よって「さぬきの夢2000」は今年収穫されたものが最後となり、「さぬきの夢2000」うどんを楽しめるのは、来夏までとなります。

ところで昨年収穫された「さぬきの夢2009」は、収穫前に季節外れの台風に遭い、100%の出来栄えではありませんでしたが(#293)、今年の出来は大変良好でした。そこで両者で乾麺をつくり、再度テイスティングしてみました。結果、「さぬきの夢2009」はきれいな淡黄色に仕上がり、喉越しも滑らかでした。一方、「さぬきの夢2000」は、色調はややくすんでいるものの(というかその方が国産小麦らしい?)、その食味は素晴らしく、喉を通過した後、口の中に拡がるほのかな甘味は、大きな魅力です。これが来年でなくなってしまうというのは、本当に残念です。

 

③「さぬきの夢2009」手打ちうどんvs.「さぬきの夢2000」手打ちうどん(2012.10.18)
丸亀市のうどん屋Sさんが、わざわざ両方の団子を持ってきてくれましたので、延ばしてテイスティングしてみました。結果は、乾麺の場合(上記②)と同じでした。淡黄色のきれいな外観、滑らかな食感は「さぬきの夢2009」。一方「さぬきの夢2000」は、見た目は劣るものの、その味わい深さは、乾麺と同様でした。1~2本しか啜らない品評会での高得点は、難しいかもしれませんが、丼一杯食べるとその真価がわかると思います。

 

④米粉50%入うどん(2012.10.13)
これは異色のうどんテイスティングです。最近は米粉の普及促進ということで、香川県でも学校給食メニューに、(米粉100%+グルテン)で焼いた米粉パンがでることがあるそうです。今回はその(米粉100%+グルテン)と小麦粉をそれぞれ半分ずつ(つまり50%)入れて、半生うどんを作り、その米粉50%入りうどん単独でのテイスティングをやりました。その結果:
1.色艶が乏しい。
2.団子のような食感。
3.少し水っぽく、旨みが乏しい。
4.パサパサとした食感で、弾力性に乏しい。
などなど、芳しい評価は得られませんでした。しかし米粉を10~20%いれた場合は、モチモチ感がアップといった高評価レポートが沢山ありますので、次回は混合割合を変えて、再度チャレンジしてみたいと思います。