#239 東京日記・・・その2

東京日記の第2弾をお届けします。

東京では鉄道車両のことを「電車」と言いますが、さぬきではなぜか永い間(今でも)、「汽車」と呼ばれていました。以前は電化されていなかったので電車と呼べないのは仕方ないですが、ディーゼル機関車で引っ張られる車両もすべて汽車で通っていました。

さぬきで電車といえば、年配の人たちは皆、チンチン電車(路面電車)を連想します。ず~と以前の話ですが、生まれて初めて新幹線に乗ったとき、「この電車は・・・」という車内放送を聞いてびっくりした記憶があります。というのは「電車=チンチン電車」というイメージがどうしても抜けなかったのです。

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入学して早くも2カ月が経ち、ようやく東京での生活も楽しめるようになってきました。つい先日のことですが、近くの駅で人身事故があり、通学に使用している線が一時不通になってしまいました。これは私にとっては始めての経験でとても驚きました。私は遅延証明書をもらうため、駅員さんのいる建物に入ったのですが、そこも長蛇の列でした。

私の前にいた男性は、かなり急いでいるらしく、いったいいつになったら電車が来るのかと怒りながら尋ねていました。それに応対している駅員さんを見て、私はさぞかし気の毒だなあ…と思っていました(そのうえ、駅員さんはいかにも気弱そうな人だったのです)。が、それを聞いた駅員さんは「お急ぎなら、タクシーを呼ぶか、隣の駅まで歩いてください。」と、実に冷静に対応していました。私は正直、それを聞いた男性が更に怒ってしまうのかとヒヤヒヤしながら見ていましたが、男性も面くらったかのように言い返す言葉もなく去っていきました。そんな光景を見て、やはり都会ではこのようなことが日常茶飯事なのかと改めてわかりました。

そうそう、電車で思い出しましたが、みなさんは電車の中で何をしていますか?私は香川でいる頃は、ほとんど電車を使わなかったので、東京に来て始めの頃はいつも物珍しげに外の景色を見たり、人間観察をしていました。しかし最近では、景色を見ることにも飽きてしまいました。

最近になってようやく気づいたのですが、東京の景色は、ほぼ建物しかありません。香川なら田んぼや畑はごく当たり前に見ることができ、また山や木々を見て季節の移り変わりを実感することができます。こんなことならもっと自然を意識しながら見ていればよかったなあ…と後悔させられます。当たり前のようにいつも見る景色でも、やはり意識していなければその良さを味わうこともできません。これから暑くなると、木々の緑もより一層鮮やかになります。その変化を、自ら意識的に感じとれればな、と思いました。