#217 2009年さぬきうどん今年の3大ニュース

今年も残すところ僅かとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今年は政権交代が行われ、来年度の予算も決まりました。予算規模は史上最大の92.3兆円に対し赤字国債は44兆円と、かなり際どい内容になっていますが、今後はなんとか健全経営に戻ってほしいと願わずにはいられません。ところで今年も、独断と偏見でさぬきうどん3大ニュースをお届けします。皆さんも風邪など引かれないよう、どうか良い年をお迎えください。また来年もよろしくお願い申しあげます。

①年明けうどん 
昨年発足した「さぬきうどん振興協議会」が提案した「年明けうどん」。これは白いうどんに、梅干し、ニンジン、蒲鉾など赤いものを添えて、新年のめでたさを演出する企画です。最初は単純に「年越し蕎麦」に対抗しての「年明けうどん」かと考え、大して気にも留めていませんでした(不明を恥じます)。またさぬきのうどん屋さんの多くは、大晦日までうどんを打っているので、「正月くらいはのんびりしたいわ」という声も聞かれ、実際の普及については半信半疑でした。

ところが「年明けうどん」のコンセプトはオープンソースというか、希望者は誰でも自由に、また無料に使用できるという協議会の太っ腹方針が功を奏し、最近は次々と名乗りを上げています。全国的にも知名度は上昇中で、積極的に取り入れたいという企業が激増し、最初はうどん専門店だけかと思っていたら、その内にチルド麺、更にはカップ麺にまで伝播しました。みなさんも近所のコンビニにいけばきっとどこかの年明けうどんに遭遇できるはずです。また年明けうどんの適用期間も巧妙に考えられています。年越しそばは、単純に大晦日だけを連想するのに対し、「年明けうどん」は、新年(1月1日)~小正月(1月15日)までの2週間を設定しています。だからみなさん、きっとノリノリなんでしょうね。

②瀬戸大橋1000円効果 
今回のさぬきうどんブームは、2003年に絶頂期を迎え、その後息長く続いています。当時は一杯100円のうどんを求めて、往復1万円近くする瀬戸大橋を渡ってきたことからも、うどん巡礼者たちの意気込みがわかります。そして今年はブームも一巡したかと思われた矢先、神風が吹き、2009年3月20日より瀬戸大橋が週末・休日1000円になりました。これをきっかけに巡礼者の数はV字回復し、お店によっては2003年のピーク時よりもまだ多くなったところもあります。また今回の1000円効果で一息ついたお店もあります。ただ一方で現在の景気を反映してか、二極分化が進行しているようにも思えます。

③「さぬきの夢2000」の後継品種決定
2000年に開発された香川県の小麦品種、「さぬきの夢2000」は、うどん用として高い評価を得ています。特にその深いコクと味わいは出色で、手打ち愛好家の中では他の銘柄から「さぬきの夢2000」に変わった方も少なくありません。但し唯一の弱点は、たんぱく質が少ないことで、うどん屋さんによっては、うどんが切れやすく製麺適性にやや問題がありました。愛好家であれば、手間暇かけて作ることができますが、お仕事となると時間的な制約もあるので、その点が唯一の問題点として指摘されていました。

そこで「味は『さぬきの夢2000』に劣らず、作業適性はASWに劣らず」を目標に開発されたのが、香育21号です。香育21号は新たに「さぬきの夢」として品種登録され、さぬきの小麦は平成25年には全量、「さぬきの夢」に切り替わる予定です。どうかご期待ください。