#182 ストックのふるわれ方①・・・Head flour & Tail flour

現在の製粉工程は、一粒の小麦を段々と小さくしながら、最終的には40~50種類の上がり粉に取り分け、それをブレンドしながら、最終製品つまり小麦粉に仕上げます(段階式製粉方法)。このときストック(小麦粉になる途中の半製品)をふるい分ける機械がシフターです(新着情報#163)。シフターには水平方向に網が何十枚と重なって入っていて、上から落ちてきたストックは、ストックの粗さに応じて4~5種類にふるい分けられます。具体的にはふるいでは次のようなことが行われています(といっても極めて当たり前なことですが)。

上から落ちてきたストックは、目開き(網の目の大きさ)より小さなものは網を通過してスルーとなり、大きいものは溢れてオーバーとなります(新着情報#053)。しかし見開きよりも小さいストックはすべてスルーとなるかというと、そうではなく軽いものは通過するより前に、遠心力によって外に飛ばされオーバーとなります。また小さくて重いものでも、ストック量が多いと、ふるい切れずにオーバーとなるものがでてきます。言い換えると目開きよりも大きいストックは必ずオーバーになるけれど、小さいものはスルーになったりオーバーになったりするということです。

特に落ちてくるストック量が多いときは、とても一枚の網ではふるい切れないので、同じ番手の網を何十枚も重ねてふるいます。つまり1枚目のオーバーが2枚目にいき、そこのオーバーが3枚目・・・という具合です。今、20枚の網があるとすると、(1枚目のスルー+2枚目のスルー+・・・+20枚目のスルー)、つまりそれぞれのスルーの合計が、そこでの上がり粉になります。また同じ上がり粉でも、最初の方(上部)でとれる上がり粉は、「頭」の方でとれるのでヘッドフラワー(Head flour、以下HF)といい、最後の方でとれるのは「尻尾」の方なのでテイルフラワー(Tail flour、以下TF)といいます。では、HLとTF、つまり最初の方と最後の方でふるわれる小麦粉とでは、どちらが白いか考えてみてください。

結論を先に言うと、「HFつまり最初にふるわれる小麦粉の方が白い」ということになります。これは両者をペッカーしてみると、はっきりわかります。また両者を手にとってみると、HFは粒が小さくふわふわして軽いのに対し、TLは大きくざらざらして重いことがわかります。実際、両者の密度を測ってみるとHFが0.504g/ccであるのに対しTLは0.563g/ccでした。つまり大きくて重いストックよりも小さくて軽いものが最初にふるわれることがわかります。新着情報#173の結果をみると、小麦はどんどん加工して粒度が小さくなるほど、密度が小さくなることがわかるので、この事実からもHLの方が粒が小さいことがわかります。

結局のところ「最初に小さいストックが、そしてその後に大きいストックがふるわれる」ということです。この結果自体は極めて当たり前すぎて、なんでもないのですが、ひとつだけ疑問があります。繰り返しますが、HFの方が小さくて軽いのに対し、TLは大きくて重いのです。小さくで重いものは一番最初に落ちて、大きくて軽いものは最後に落ちるのは、問題ありません。ただ、空気の抵抗があるので、小さくて軽いものと大きくて重いものは、どちらが先に落ちてくるかは、直感ではわかりづらいと思うのです。けれど現実は、小さくて軽いものが、大きくて重いものよりも先に落ちるようです

最後にHFとTFは小麦のどこの部位かと推測すると、小麦の構造は中心部が白く、周辺部分にいくほどだんだんとくすんできます。よってHFは中心部分でTLはそれよりは少し外側じゃないかと考えます。